2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06580
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
山下 倫明 Fisheries Research Agency, 中央水産研究所・利用加工部, 研究室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMMED Manush Sayd 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・利用加工部, 外国人特別研究員
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Keywords | 地球温暖化 / 環境応答 / ストレスタンパク質 / 魚類 / 性分化 |
Research Abstract |
変温動物における高温ストレスに対する適応機構は地球温暖化に関する研究を行う上で重要な研究課題である。ゆっくりと徐々に温度を変化させる高温順化過程において,特定の遺伝子発現が生じ,順化を促すメカニズムが推定される。熱ショックタンパク質は数時間で誘導される特徴をもつことが知られていることから,熱耐性の誘導との間に密接な関係があることが推定されている。そこで,高温順化と熱耐性との関係をゼブラフィッシュのモデルを用いて調べた。その結果,ゼブラフィッシュの温度順化の上限は36℃であり,この上限の温度への順化適応ではhsc70の遺伝子発現は誘導される一方,hsp70の遺伝子発現は低下する現象を見いだし,hsc70が高温順化に関与することが推定された。また,オートファジーは細胞内タンパク質分解に関与する重要な細胞応答であり,環境適応に関わる機能である。高温順化に伴ってシャペロン介在性オートファジーが誘導されることがわかった。すなわち,hsc70が細胞質内の基質タンパク質に会合し,リソゾームへのタンパク質の移行を促進し,リソゾーム内でのタンパク質の分解が進行するというオートファジーの分子メカニズムを魚類を用いて明らかにした。このオートファジーの誘導が,高温順化時における飢餓と高温ストレスに対する耐性に寄与する生物応答が推定された。
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Research Products
(2 results)