2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖を用いた、食中毒菌の生産する有害タンパク質の高感度検知法の開発
Project/Area Number |
06F06582
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鵜沢 浩隆 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAMARPITA Roy 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | グリコリル化 / センサー / 糖鎖合成 |
Research Abstract |
本研究では、大腸菌K99が生産する易熱性タンパク質、エンテロトキシンを検出するセンサー開発のための基盤研究を進めている。本年度は、当該毒素の結合する、末端のシアル酸がグリコリル化した特徴的な3糖合成(Neu5Gcα2-3Galβ1-4Glcβ1)について検討した。まず、シアル酸を出発原料に用い、メチルエステル化、アセチル化、チオグリコシル化を行い3工程93%の収率で完全保護体を得た。次にこのシアル酸の5,N-アセチル基をグリコリル基に変換した。まず、5,N-位にBoc基を導入、N-Ac基をNaOMeで除去してN-Boc化したシアル酸に変換した。次に、CF_3COOHでBoc基を除去しAcOCH_2COClで処理して、80%の収率で5,N位にアセチルグリコリル基を導入したシアル酸誘導体へと変換することに成功した。一方、還元末端側の2糖は、先に合成したグリコリル化したシアル酸とカップリングさせた後、センサー基板に固定する必要がある。そこで、この2糖の還元末端側に適当な長さのω-アジドスペーサーを導入した糖誘導体を設計した。この基本2糖の合成は次のようにしておこなった。ラクトースを出発原料に用い、1位に適当なω-ブロモスペーサー基を導入したパーアセチルラクトース誘導体を得た。ω位のブロム体をNaN_3で処理してアジド基に変換し、非還元末端側の3,4位にイソプロピリデン基を導入、他の水酸基をベンジル基で保護、その後、イソプロピリデン基を除去して非還元末側の3,4位がフリーの2糖誘導体に変換した。現在、このラクトース誘導体の3位に選択的にグリコリルシアル酸を導入する方法について検討中である。
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