2006 Fiscal Year Annual Research Report
長期間のベッドレストがヒトの立位姿勢制御系に及ぼす影響
Project/Area Number |
06F06584
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
中澤 公孝 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 運動機能系障害研究部, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAYENKO Dmitry 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 二次障害 / 姿勢制御 / 荷重情報 |
Research Abstract |
本研究は、低身体活動が人間の姿勢制御機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。身体の障害は身体全体の活動性を激減させる。そのため、障害を負ってから二次的な障害が発現する危険性を常に有している。今日、障害を有する人の寿命は医学管理の徹底により健常者とかわらない程度まで延びている。それによって、障害者の寿命が短かった時代には問題にならなかった二次障害が新たな、しかも深刻な問題として出現してきた。そのため、この面の研究は完全に遅れているという現状がある。本研究では姿勢制御系に与える影響に特に着目し、低身体活動の影響を定量的に評価することを目的とする。平成18年度は、姿勢制御系に大きな影響をもつと考えられる足底部からの荷重情報の影響に絞った実験を行った。長期臥床時には足底部への荷重が喪失するため、それが姿勢制御系の機能を変調させると考えられるからである。 健常被検者10名を対象とし、足底後部(踵部)への皮膚刺激(痛覚閾値以下の電気刺激)が主要な姿勢筋であるヒラメ筋の伸張反射に及ぼす影響を調べた。電気刺激を伸張反射誘発前5-100msの間隔で条件刺激として与えた。伸張反射は誘発装置を用い、50deg/sおよび200deg/sの2種類の角速度で足関節を背屈して誘発した。その結果、伸張反射誘発前30-70msの条件刺激によってヒラメ筋伸張反射は有意に増大した。この皮膚受容器からの感覚情報によりヒラメ筋伸張反射を促通する系が姿勢制御に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)