2006 Fiscal Year Annual Research Report
t(1;3)(p36;q21)白血病に関与するMEL1融合遺伝子の機能解析
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06F06587
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
佐藤 裕子 Research Institute, International Medical Center of Japan, 臨床病理研究部・超微細構造研究室, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAN Thi Xinh 国立国際医療センター(研究所), 臨床病理研究部・超微細構造研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | MEI1遺伝子 / t(1;3)(p36;q21) / 融合遺伝子 / MEL1 / HOXA9遺伝子 |
Research Abstract |
t(1;3)(p36;q21)転座を持つ骨髄異形性症候群や急性骨髄性白血病では、3q21.3に位置するRPN1遺伝子のプロモーターによってPRドメインが欠落したMEL1遺伝子(MEL1S)が過剰発現を起こし、これが本白血病の白血化に密接に関わっている分子病態であると報告されている。私達は以前にt(1;3)転座を持つ3症例のlp36切断点の分析を行い、MEL1遺伝子のイントロン1に切断点をもつ症例を見だし、MEL1遺伝子には融合遺伝子が存在しうるという可能性を示した。最近、さらに2症例を追加して解析したところ、1症例はMEL1遺伝子のイントロン1に切断点をもつ症例であった。 そこで、これらの合計5症例について、1p36切断点と3q21切断点の解析を行ったところ、1p36切断点は3箇所への切断点集中((1)MEL1遺伝子の80kb以上離れた5側の約30kbの領域、(2)MEL1遺伝子のエクソン1を夾む約70kbの領域、(3)MEL1遺伝子イントロン1内の約70kbの領域)が見られたが、3q21切断点はRP11-475N22に集中することが判った。また、MEL1遺伝子の融合遺伝子を単離すべく、3'RACEや5'RACEを行ったところ、MEL1遺伝子のイントロン1に切断点をもつ2症例を含む4症例において、合計10個のMEL1融合遺伝子を単離することに成功した。驚いたことに、融合相手遺伝子の部位はすべて、3q21ではないことから、これらの融合遺伝子形成に関与している機構は染色体転座機構ではないことが考えられた。その中の1個であるMEL1/HOXA9融合遺伝子は、RT-PCRを用いたところ、4症例に検出された。5症例のうち、2症例については定量PCRでMEL1S mRNA量を測定したところ、発現増加は認められなかった。そこで、t(1;3)転座型白血病の分子病態は、MEL1Sの過剰発現だけではなく、多様性があることが示唆された(論文投稿中)。 HOXA9遺伝子はt(7;11)(p15;p15)転座型白血病において、NUP98/HOXA9融合遺伝子を形成し、白血化構に密接に関わってことが知られている。MEL1/HOXA9融合transcriptのシークエンスを解析したところ、HOXA9切断点はNUP98/HOXA9融合transcriptの切断点と全く同じであることが判明した。現在、MEL1/HOXA9 constructをBaF3細胞に導入し、transforming能や分化抑制能を解析中である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Unique secondary chromosomal abnormalities are frequently found in chronicphase CML in southern Vietnam2006
Author(s)
Xinh PT, Vu HA, Man HV, Tri NK, Binh NT, Nghia H, Trong PQ, Binh TV, Be TV, Tokunaga K, Sato Y
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Journal Title
Cancer Genet Cytogenet 168
Pages: 59-68
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