2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄誘導因子を用いた羊膜幹細胞からの歯髄幹細胞の誘導法の開発
Project/Area Number |
06F06588
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
中島 美砂子 国立長寿医療センター, (研究所)・口腔疾患研究部, 室長
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Zheng 国立長寿医療センター, (研究所)・口腔疾患研究部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 歯髄幹細胞 / 羊膜幹細胞 / 歯髄誘導因子 / Runx3 / Osterix / マイクロアレイ / electrophoretic mobility-shift assay / クロマチン免疫沈降法 |
Research Abstract |
羊膜幹細胞を象牙芽細胞系譜に転換させるための誘導因子を見つけるため、歯発生過程におけるOstedxおよびRunx3の発現を検索し、Osterixが鐘状期ならびに分化期においてRunx3と発現が重複してみられることを明らかにした。Runx2は歯発生において必須であるといわれているが、歯発生過程におけるRunx familyによるOsterixの転写調節機構は明らかではない。したがってRunx3によるOsterix発現調節機構を検索した。遺伝子導入によりRunx3は歯髄細胞において転写を抑制し、さらにRunx3を強制発現させるとHEK293細胞においてOsterix promoter活性を抑制した。さらに歯髄細胞を用いたelectrophoretic mobility-shift assay(EMSA)およびChromatin immunoprecipitation(ChIP) assaysによりOsterix promoterへのRunx3の直接的な結合が明らかとなった。これより、歯髄細胞が象牙芽細胞に分化する際Runx3はOsterix発現を調節する重要な役割を有し、その機能を用いて他の組織幹細胞を象牙芽細胞系譜に転換させることができる可能性が示唆された。次に私どもはマウス羊膜幹細胞を象牙芽細胞系譜に転換させる実験を試みた。まず、ヒト歯髄細胞、歯根膜細胞および歯肉線維芽細胞の遺伝子発現プロファイルをマイクロアレイ分析にて比較し、ヒトの歯髄細胞に高発現するTRH-DEを見出した。このTRH-DEのマウス各組織での発現をRT-PCRでみると歯髄組織以外では肝臓に強い発現がみられ、骨髄に弱い発現がみられた。羊膜幹細胞にも羊膜組織そのものにもTRH-DEの発現はみられなかったことから、TRH-DEは羊膜幹細胞の転換のマーカーのひとつとして用いることができると判明した。
|
Research Products
(5 results)