2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄誘導因子を用いた羊膜幹細胞からの歯髄幹細胞の誘導法の開発
Project/Area Number |
06F06588
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
中島 美砂子 国立長寿医療センター(研究所), 口腔疾患研究部, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHENG Li 国立長寿医療センター(研究所), 外国人特別研究員
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 羊膜幹細胞 / 歯髄誘導因子 / Runx3 / Osterix / マイクロアレイ / electrophoretic mobility-shift assay / transdifferentiation |
Research Abstract |
私どもは、羊膜幹細胞を歯髄細胞系譜に転換させるための歯髄誘導因子として、歯発生において象牙芽細胞分化時に発現がみられるRunx3に着目した。う蝕などの歯髄への刺激により形成される修復象牙質は骨に非常に類似しており、Osterixは骨芽細胞分化および骨形成誘導することが知られている。よって、まず、Runx3によるOsterixの調節を検討した。遺伝子導入実験ではRunx3は歯髄細胞においてOsterix転写を抑制し、Runx3を強制発現させるとOsterix promoter活性を抑制した。歯髄細胞を用いたゲルシフトアッセイおよびクロマチン免疫沈降によりOsterix promoterへのRunx3の直接的な結合が明らかとなった。よって、歯髄細胞が象牙芽細胞に分化する際、Runx3はOsterix発現を調節する重要な役割を有し、その機能を用いて他の組織幹細胞を象牙芽細胞系譜に転換させることができる可能性が示唆された。次に私どもは、マウス羊膜幹細胞を歯髄細胞系譜に転換させる実験を試みた。まず、歯髄細胞に高発現するTRH-DE (thyrotropin-releasing hormone degrading ectoenzyme)を見出し、胎生14日目から分離した羊膜幹細胞にも羊膜組織そのものにもTRH-DEの発現はみられなかったことから、TRH-DEは羊膜幹細胞の転換のマーカーのひとつとして用いることができると判明した。Runx3を羊膜幹細胞に遺伝子導入するとTRH-DEが発現し、BMP2を添加した場合、培養21日目には象牙芽細胞分化マーカーEnamelysinが発現し、羊膜細胞の歯髄細胞系譜への転換が明らかとなった。さらに、脱灰象牙質基質上での三次元培養系、ならびにHAP/TCPに混合した生体内移植による細管象牙質形成の確認を行った。
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Research Products
(1 results)