2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06603
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
小山 泰弘 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門新世代ネットワーク研究センター光・時空標準グループ, サブリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOBIGER T. 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門新世代ネットワーク研究センター光・時空標準グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙測地 / 超長基線電波干渉計 / VLBI / 大気遅延 / 電離層 / 波線追跡法 / 数値気象データ |
Research Abstract |
超長基線電波干渉計(VLBI)に代表される宇宙測地技術は、観測地点の位置を数mmレベルの正確さで測定することができ、地球基準座標系の高精度な実現や地球回転の精密な測定、およびプレートテクトニクスなどの地球物理学研究に大きな役割を果たしている。ところが、現在の宇宙測地技術の計測精度は、大気や電離層による伝播遅延モデルの誤差が大きな誤差要因となっている。これらの誤差を低減して、宇宙測地技術における計測精度を向上させることが本研究の目的である。 そのため、まずVLBI観測データの解析により、電離層の短時間変動についての研究を進め、電離層擾乱の伝播現象を検出することに成功した。この結果は、国内の研究会(2006年度VLBIシンポジウム)で発表するとともに、国際学術誌(Journal of Geodesy)に投稿し、受理された。論文は、近日中に印刷され、発行される予定である。また、GPSおよび低軌道衛星のデータを用いて効率的に電離層の三次元構造を推定するトモグラフィ推定手法を開発し、その性能の評価を行った。この成果は、論文成果としてとりまとめ、国際学術誌(Geophysical Research Letters)に投稿し、現在査読を受けている段階である。 つぎに、高精度な大気遅延補正法を開発するため、数値気象データを用いて、波線追跡法を適用して任意の位置における任意の方向への大気遅延を高精度に推定するレイトレーシングプログラムの高速化に取り組んだ。あらかじめ、規則的なグリッドのデータを数値気象データから再構築することで、計算速度を大幅に向上することに成功し、国内における電子基準点の観測データをリアルタイムに補正することができる見通しを得た。この成果については、国内および国際学会に講演発表を申し込むとともに、論文の執筆を進めている。
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Research Products
(1 results)