2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06603
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
小山 泰弘 National Institute of Information and Communications Technology, 新世代ネットワーク研究センター光・時空標準グループ, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOBIGER Thomas 独立行政法人情報通信研究機構, 新世代ネットワーク研究センター光・時空標準グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙測地 / 超長基線電波干渉計 / VLBI / 大気遅延 / 電離層 / 波線追跡法 / 数値気象データ |
Research Abstract |
超長基線電波干渉計(VLBI)に代表される宇宙測地技術は、観測地点の位置を数mmレベルの正確さで測定することができ、地球基準座標系の高精度な実現や地球回転の精密な測定、およびプレートテクトニクスなどの地球物理学研究に大きな役割を果たしている。ところが、現在の宇宙測地技術の計測精度は、大気や電離層による伝播遅延モデルの誤差が大きな誤差要因となっている。これらの誤差を低減して、宇宙測地技術における計測精度を向上させることが本研究の目的である。 平成20年度には、大気による伝搬遅延を、気象庁の数値予報モデルを用いて高速にかつ高精度に計算する手法の開発を進め、国内の任意の地点における補正値を、実用的な速度で計算することができるプログラムの開発に成功した。このプログラムを適用することにより、従来は観測データを用いて推定するしかなかった大気遅延補正量を、客観的な気象モデルから計算することができるようになり、本研究課題の目標であった宇宙測地技術における精度向上を実現した。この結果については、国内と国外の研究会でそれぞれ口頭成果発表するとともに、査読つき論文(J.Geophys.Res.)に投稿し、出版された。そのほか、VLBI観測データを解析するためのプログラム開発にもとりくみ、その結果を査読付き論文誌に2件投稿して、うち1件は発行済み、残り1件も受理の連絡を受けるなど、顕著な成果を達成した。
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Research Products
(6 results)