2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06607
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
末永 和知 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノカーボン研究センター・カーボン計測評価チーム, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUAN Lunhui 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノカーボン研究センター・カーボン計測評価チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノチューブ / フラーレン / ナノデバイス |
Research Abstract |
カーボンナノチューブはそのカイラル構造により電子構造が変化することが知られているが、ナノチューブ自身のカイラル構造を制御することは容易ではない。そこで各種ドーピングを行い電子構造の変調を目指すことを目的とするが、ドーピング量やドーピングサイトの解明はナノチューブデバイスの基礎物性の理解にとって極めて重要である。本研究ではナノチューブへのドーピングの様子を高分解能電子顕微鏡を用いて調べると同時に、その熱的安定性をも検証した。また加熱による内包ナノチューブの構造変化をラマン分光などを用いて調べた。 ナノチューブへのp型もしくはn型ドーピングを実現するために、気相法および液相法を用いて各種イオン・分子などを積極的にナノチューブに内包させた。構造解析には球面収差補正機能を有した高分解能電子顕微鏡を使用した。 結果として、カーボンナノチューブにヨウ素をドープすると、ナノチューブ内部空間でフラーレン分子の融合が促進されることがわかった。これはヨウ素原子がナノチューブ成長を助けることを証明した実験であり、この実験結果はJ. Am. Chem. Soc. 129(2007)pp.8954-8955に掲載された。 またナノチューブにフェロセン分子をドープした場合、その後の熱処理で極小のカーボンナノチューブがその内部に成長することが確かめられた。高分解能電子顕微鏡によりこの極小のナノチューブのカイラル指数を調べたところ、(3,3)(4,1)(5,2)などであった。この研究成果はいままでに確認されたもっとも小さいカーボンナノチューブとして、現在専門誌に投稿中である。
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Research Products
(2 results)