2006 Fiscal Year Annual Research Report
バンドエンジニアリングによる高機能光触媒材料の開発
Project/Area Number |
06F06608
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
葉 金花 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YI Zhiguo 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒材料 / バンド計算 / ビスマス層状ペロブスカイト / 強誘電体 / 水分解 / 有害化学物質分解 / イソプロピルアルコール |
Research Abstract |
平成18年9月に着任以来、物質創製の基本指針としてバンド計算を利用し、特性の優れた光触媒材料の開発を課題に、これまで新物質合成とその特性評価などの研究開発に専心してきた。合成した物質の特性評価を既設のX線回折装置やUV-Visスペクトロメータ、光触媒特性評価装置などを用いて行い、幾つかの物質について水素製造特性や有害化学物質の分解特性などを新たに確認している。得られた成果と研究の現況は以下の通りである。 1.ビスマス層状ペロブスカイト強誘電体で光触媒特性を見出した。犠牲剤を用いた試験では、紫外線照射下で、水を水素と酸素とに分解出来ることを確認した。今後は、この材料の結晶構造の最適化を図り、可視光にも応答することを目指している。 2.ビスマス層状構造強誘電体は、可視光照射下でイソプロピルアルコールを分解する有害物質分解用の光触媒となることを確認した。この酸化物では、より狭いバンドギャップを実現されると予想されるイオン置換によって、より高効率化を目指している。 3.NaTaO_3のバンドギャップを調整するために、酸化物固溶体を合成し、可視光照射下で水素ガスの製造を目指している。 4.元素置換によって、鉛クロム酸塩のバンドギャップを3.4eVから2eVまで調整し、イソプロピルアルコールを可視光照射下で効率的に分解することを明らかにした。 これまで、バンドエンジニアリングを応用して多くの物質合成とその評価に取り組んできた。今後、精密な特性評価や光触媒特性の最適化などに研究開発の焦点を合わせ、これまでの成果のとりまとめを図り、平成19年度以降の研究計画へ発展させる予定である。
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