2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06617
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 強 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAN Junmin 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素 / 水素貯蔵 / エネルギー / 燃料電池 |
Research Abstract |
来る水素エネルギー社会を支えるキーテクノロジーとして、高効率水素貯蔵・発生技術の確立が求められている。特に、ポータブル水素発生システムが携帯電話やパーソナルコンピューターなどの燃料電池電源の燃料として多様なニーズに対応できるため、安全、便利、確実な水素発生システムの確立が強く求められている。本研究はタングステンカーバイド等の貴金属代替(非貴金属)触媒は、アンモニアボラン及びその誘導体化合物の加水分解反応に高い活性を示し、室温という温和な温度において、制御可能な条件下で効率よく水素ガスを発生させることができることを見出した。貴金属触媒のみならず、これらの非貴金属触媒は、同反応に有効であることを発見したことは、本ポータブル水素発生システムの低コスト化と高効率化に可能性を見出し、実用化の可能性を高めた。本システムの水素発生量は、反応物に対して9重量%に達し、水素発生システムの中で最高の値となっている。さらに、強アルカリによる溶液の安定化が必要という弱点を持つ既知のナトリウムボロハイドライドの加水分解による水素発生システムと比べ、溶液が中性であるという大きなメリットを持つ。また、アンモニアボランの加熱分解による他の水素発生システムと比べ、反応が室温という温和な条件下で効率よく進行するというメリットを持つ。同反応は、新しい、安全、便利なポータブル燃料電池用水素発生方法として、高い可能性を持っている。
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