2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイによる病害に対する昆虫応答反応の分子ネットワーク解析
Project/Area Number |
06F06623
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
門野 敬子 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域昆虫ゲノム研究・情報解析ユニット, 主任研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KALYEBI Andrew 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域昆虫ゲノム研究・情報1解析ユニット, 外国人特別研究員
|
Keywords | マイクロアレイ / 寄生バエ / カイコゲノム / Drino inconspicuoides / Exorista japonica / Pales pavida / Bombyx mori / tachinidae |
Research Abstract |
宿主であるカイコと3種寄生バエの飼育と寄生条件を検討し、各種組織のマイクロアレイ用サンプリング、一部組織のマイクロアレイによる比較を行った。実験に用いた寄生バエのうち、Drino inconspicvoidesでは、カイコ幼虫体表に直接産下された卵が直ちに孵化して、宿主体腔内に入り、宿主体表に向けて空気孔(funnel)を形成して発育を続け、7-8日後に3齢で宿主から脱出して囲蛹を形成し、約10-14日後に羽化した。Exorista japonicaは同様に産下するが、孵化までに3-4日を要し、その後Drinoと同様の経過を経た。Palespavidaは、宿主の摂取する植物上に産卵し、宿主が食草とともに卵を嚥下することによって宿主体内に入るので、産下された卵をカイコの人工飼料に付着させ摂食寄生させた。中腸内で直ちに孵化した幼虫は絹糸腺へと移動し、宿主が吐糸営繭を開始するまで1齢で絹糸腺内に留まり、その後体腔中に移動し、他の2種と同様の経過をたどった。以上の観察結果から、1頭のカイコへの寄生を約5卵に、カイコの寄生時期を5齢0日と固定して、5齢5日に解剖して、宿主の脂肪体、血球細胞、絹糸腺などの組織を摘出し、マイクロアレイ用にRNAを調整した。今年度予算で購入可能なアレイ数の制限により、まず、DrinoとExoristaによる寄生区と非寄生区間の脂肪体で、マイクロアレイを行った。その結果、5つの遺伝子がDrino寄生後にup-regulationあるいはdown-regulationされており、これらは、4カ所に重複して打たれていた同じ遺伝子の別スポットすべてが有意差のあるものとして現れたので、確実に差のあるものと思われる。一方Exoristaでは、25個の遺伝子に有意差がみられた。これら2種問に共通する遺伝子はなかった。個々の遺伝子の詳細を現在調査中である。
|
Research Products
(1 results)