2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイによる病害に対する昆虫応答反応の分子ネットワーク解析
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06F06623
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
門野 敬子 National Institute of Agrobiological Sciences, 昆虫科学研究領域・昆虫ゲノム研究・情報解析コニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KALYEBI A. 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域・昆虫ゲノム研究・情報解析ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロアレイ / 寄生バエ / カイコゲノム / Drino inconspicuoides / Exorista japonica / Pales pavida / Bombyx mori / tachinidae |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、3種寄生バエによる寄生の影響をカイコで検討した。Drino inconspicuoides Exorista japonicaに加えてPales pavidaについても、脂肪体でのマイクロアレイを行い、3種での比較を行った。さらに、カイコ血球細胞でもマイクロアレイを行い、寄生に伴って発現上昇/低下する遺伝子を特定した。選んだ遺伝子について、それぞれプライマーを設計し、RT-PCRにより、寄生に伴う転写産物の増加や減少を確認した。脂肪体で3種の寄生に共通して発現上昇したのは、抗菌タンパク質の1種であるエンボシン、DrinoとExoristaの2種に共通して上昇していたものには、アタシン、グロベリン、レボシンなどの抗菌タンパク質遺伝子があった。3種に共通して脂肪体での発現が減少したものには、2種のHSP遺伝子があった。血球細胞で、3種の寄生に共通して発現上昇したものには、30KDaタンパク質類似遺伝子、減少したものには、脂肪体と同様HSP遺伝子の中の数種があった。しかし、3あるいは2種に共通して見られた遺伝子の発現変動値は、種特異的に見られた高い発現変動値よりも、かなり低かった。RT-PCRで発現変動を確認した遺伝子の90%以上がマイクロアレイの結果と一致した。さらに、寄生後0、3、5、6日でのタイムコース、および脂肪体、血球、繭糸腺、中腸、マルピーギ管、精巣、卵巣、中央神経節での発現組織特異性をRT-PCRで検討中である。 また、寄生バエが宿主体内で発現している遺伝子を網羅し、寄生に特異的な遺伝子を明らかにする目的で、寄生バエ幼虫の全虫体でcDNAライブラリーを作成した。現在網羅的にクローンのDNAを精製して、5'末端のDNA配列を解析中である。得られた配列をキイロショウジョウバエやオオハマダラカなど同じ双翅目の遺伝子と比較して、寄生に特異的な遺伝子を探索する。
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Research Products
(2 results)