2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイによる病害に対する昆虫応答反応の分子ネットワーク解析
Project/Area Number |
06F06623
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
門野 敬子 National Institute of Agrobiological Sciences, 昆虫ゲノム研究・情報解析ユニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KALYEBI A. 昆虫ゲノム研究, 情報解析ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロアレイ / 寄生バエ / カイコゲノム / Drino inconspicuoides / Exorista japonica / Pales pavida / Bombyx mori / tachinidae |
Research Abstract |
マイクロアレイで得られた、カイコの脂肪体と血球における3種寄生バエによる遺伝子発現量の変動を必要に応じて追試を行い、まとめた。17,000種類のカイコ遺伝子を網羅している34,631アレイプローブの中で、血球では、Exorist.japonicaにより354個、Drin.inconspicvoidesにより356個、Pales pavidaにより160個の遺伝子が発現変動を受けた。脂肪体では、それぞれ、294、334、418個の遺伝子が発現変動を受けていた。これらの中で、3種の寄生に共通して影響を受けていた遺伝子には、抗菌タンパク質のembocinがup-regulation、heat shock proteinの数種が脂肪体でdown-regulationを受けており、血球では、貯蔵タンパク質である30K proteinとSPIがup-regulationされ、down-regulationされた3つの遺伝子は、既知のものではなかった。これらの中から選んだ多くの遺伝子について、プライマーを設計し、RT-PCRにより、寄生経過に伴う転写産物の増加や減少と組織特異性を確認した。まとめると、発現変動している遺伝子がコードするタンパク質は、ペプチドグリカンなど分子認識、P450など解毒に関わったり、アクチンやミオシンなど細胞骨格を構成したりする11グループ(詳細略)に分けられたが、いずれにも相同性のない、ユニークな遺伝子が多数あった。寄生バエが宿主体内で発現している遣伝子を網羅し、寄生に特異的な遺伝子を明らかにする目的で構築した、D.inconspicuoides幼虫全虫体のcDNAライブラリーの解析は、継続中であり、分担者であったDr.Kalyebiがウガンダに帰国後も続ける予定である。本研究成果は、宿主-寄生者関係を遺伝子レベルで明らかにすることを可能にした。
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Research Products
(1 results)