2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの視覚野における高空間分解能機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)の研究
Project/Area Number |
06F06626
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 啓治 (独)理化学研究所, 認知機能表現研究チーム, 領域ディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUCARD Christine Claudia (独)理化学研究所, 認知機能表現研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 認知科学 / 神経科学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
認知機能研究チームにおける最初の3ヶ月間、主に2つの課題に集中した。自分の研究課題に関する文献に親しむと同時に、将来実験を行う際に用いる技術の習得を始めることだ。 (1)まず文献学習では、精神物理学の観点同様ニューロイメージングの観点から、顔の知覚の分野における従来および現在の業績に重点をおいた。二つの主流が、顔の知覚分野を支配しており、興味深い論争を引き起こしている。主にNancy Kanwisherのグループによって行われた研究は、顔の認知は、顔の特定という過程を含んでいると論じている。彼らは、特別な脳の領野-the fusiform face are(FFA)-が、単独で顔の知覚に貢献していると主張する。他方、Gauthierのグループは、顔は我々がエキスパートレベルで弁別することを学習してきた知覚物体の一つの特に難しい部類であるに過ぎないないと述べている。Gauthierは、FFAは被験者が鳥や車、ひいては、Greeblesとして知られるコンピュータが一般化した無意味な形状の異なったタイプ間の識別を行う時にも活動することを示した。顔の認知がこの領野に強く依存するということが確かであるにも係わらず、知覚のどの相がFFAによって結びつけられるのか、これは、まだはっきり解明されていない。この問題は、FFA中には、顔のみならず、動物、車、抽象的彫像などの物体カテゴリーが特定の領域に限定された副領域に描き出されると主張する高解像度機能的磁気共鳴画像法(fMRI)に関する論文が昨年末に発表された時に、より興味深いものとなった。彼らは一般的なfMRIは顔が優位を示す雑多な領野の平均を反映するだけだが、FFA集の視覚過程は顔に限定されないと結論している。しかし、いくつかの論争後、解析の誤りが判明し、正誤表が発表された。私の考えでは、これはその問題に対する大きな興味を反映しており、高解像度fMRIを用いていかに顔に関する情報はFFA中に描き出されるかを扱う私のプロジェクトの目的を非常に強く正当化するものである。 (2)高解像度fMRI技術の向上は、この最初の3ヶ月の2番目の課題だった。MR基礎をMR物理学者と共に学習した後、私は4テスラのMRIスキャナーを作動するための訓練を受けて来た。この訓練の目的は、将来私が、全く独力でfMRI実験を主導することができるよう深く技術を理解することにある。
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