2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスRNAを用いた腸管病原性細菌の病原性発現機構の解析
Project/Area Number |
06F06705
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本田 武司 Osaka University, 微生物病研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIKARD Dryselius 大阪大学, 微生物病研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 腸炎ビブリオ / 腸管出血性大腸菌0157 / アンチセンスRNA / ノックダウン / 病原性 |
Research Abstract |
アンチセンスRNA技術は、特定遺伝子をノックダウンすることにより遺伝子産物の働きを解析するのに有効な方法である。本研究では腸管出血性大腸菌0157や腸炎ビブリオといった腸管病原菌の病原性発現機構の解析を、アンチセンスRNAを用いて行うことを目的に研究を進めている。真核細胞においてはアンチセンスRNA技術はすでに確立されているが、細菌においてはいまだ開発途上の技術であるので、本研究ではまず腸炎ビブリオにおいて至適なアンチセンスRNAの条件の確立を試みている。具体的には(1)誘導可能なプロモータによりアンチセンスRNAを細胞内で発現させる方法と、(2)ペプチド核酸(PNA)を細胞外から投与する方法、の両方を試み、まず生存に必須な遺伝子をターゲットとしてアンチセンスRNAによるノックダウンを行うことにより、腸炎ビブリオにおけるノックダウン実験の至適条件を検討した。前者の方法については、腸炎ビブリオ内での十分量のアンチセンスRNAの発現誘導に手間取っており、現在、よりハイレベルの発現が可能な発現ベクターによる検討を行っている。後者の方法に関しては、PNAがアンチセンス活性を発揮するには塩濃度が低いことが必要であることが明らかになり、生育に塩を要求する腸炎ビブリオでどのようにPNAを投与すべきかについて検討を行っている。ノックダウンの至適条件が確立できれば、次にすでに病原性への関与が明らかになっている細菌側の因子(0157の場合はIII型分泌装置、腸炎ビブリオの場合は耐熱性溶血毒など)をターゲットにノックダウンを試み、蛋白レベルで発現抑制を確認後、病原性試験を行い病原性発現への影響について解析を行う。
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Research Products
(3 results)