2007 Fiscal Year Annual Research Report
魚類精子成熟渦呈におけるプロゲステロンびプロスタグランジンの作用機構の解明
Project/Area Number |
06F06718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 学 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOWALSKI Radoslaw K 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 受精 / 精子運動能 / 精子受精能 / 動物生理化学 / プロスタグランジン / プロゲステロン / ニジマス / メダカ |
Research Abstract |
魚類において精子形成後にどのように成熟がおきるのか、その分子機構はまだほとんど分かっていない。今回、哺乳類において精子形成、成熟機構に関与していることが知られているプロゲステロン及びプロスタグランジンに着目し、魚類精子においてのその作用の解明を行い、最終的には哺乳類等の精子成熟過程と比較検討することで、普遍性と特殊性の解明を闘指している。今年度は以下の実験を行った。 1.サケ科魚類精子の成熟及び運動性に対するプロスタグランジンとプロゲステロンの効果 ニジマス及びシロサケを用い、精子成熟及び運動に対するプロゲステロン及びプロスタグランジンの影響を調べる実験を行った、まず精漿内のプロスタグランジンの量の変化を調べたところ、保存期間が長くなるに従って精漿内のPDE2の割合が増えることが示された。一方、プロスタグランジンは精子の運動性に対しては影響を与えないことが明らかとなった。 2.海産魚類精子の運動性に対するプロスタグランジンの効果 海産魚においてもニジマスと同様の効果があるがどうか、クサフグを用いて実験を行った。 その結果、クサフグ精子の運動に対してもプロスタグランジンの影響は少ないことが示唆された。 3.魚類の生殖に対するプロスタグランジン合成酵素阻害剤の効果 in vivoにおけるプロスタグランジンの生殖に対する役割を調べるため、メダカを実験材料に、飼料にプロスタグランジン合成酵素阻害剤であるresveratoi及びNS398を混ぜて長期間経口投与し、精子及び卵の形成能及び受精能について検討を行った。その結果、プロスタグランジン合成酵素阻害剤は産卵数や精子運動能に影響を与える可能性が示された。今後引き続き詳しい調査を行う予定である。
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Research Products
(3 results)