2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06724
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
信原 幸弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
O'DEA JOHN W. 東京大学, 大学院総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分析哲学 / 知覚経験 / 感覚様相 |
Research Abstract |
1."A Higher-order, Dispositional Theory of Qualia":この論文で明らかにしたのは、より高次の知覚を通じて、感覚経験の内在的性質が説明できるという点である。もし我々がクオリア(内観的に意識することで得られる経験の内在的性質として知覚されるもの)について実在論の立場をとるならば,より高次の知覚はその性質を把捉する手段で、ある一定の説明的役割をもつだろう。このことで、クオリアを内からの知覚に起因する心的状態として扱うことができる。本稿の目的は、いわゆる「説明上のギャップ」を埋めることが可能である点について明らかにし、その仕方が一種の自己意識によるものである点を示すことである。 2.「科学の言語」という出版物に「意識」の問題に関する考察を発表:意識を定義するにあたって、"Perspectival approach"という新しい立場をとった。対象が知覚によって表象されるのは、常にそれを知覚する人間との関係においてである。知覚様相の解明という私のプロジェクトは、知覚する人間を参照の基点とする立場に立って意識経験を理解しようとするものである、人が当然の事として使用している感覚器官を通して、知覚という意識は語らるべきだと考える。 3."Transparency and the Unity of Experience":マイケル・タイによって最近発表された論文では、異なる知覚様相がそれぞれ特異な意識経験を通過するという事実が不定されている。もしそれが正しい議論であれば、私のとる立場は不定されることとなる、近く刊行される本"The Case of Qualiaの一章で、私は、このタイの現象統一の理論が実は、知覚経験の明確な事実を考慮に入れてない点、さらに彼の理論それ自体が矛盾を内包している事を指摘している。 4."The Value in Equal Opportuniry : Reply to Kershnar":これは、スティーヴン・カーシュナーの「機会の均等」を否定する理論に対抗する立場から応答したもので、政治哲学の学術誌に掲載された。
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Research Products
(4 results)