2007 Fiscal Year Annual Research Report
根粒菌の共生窒素固定活性の発現調節に関与する宿主植物因子
Project/Area Number |
06F06726
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内海 俊樹 Kagoshima University, 理学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZEHIROV Grigor Traykov 鹿児島大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 根粒菌 / ミヤコグサ / タルウマゴヤシ / ダイズ / バクテロイド / 共生窒素固定 / 抗菌性ペプチド / 毛状根 |
Research Abstract |
タルウマゴヤシ根粒では、機能不明のNCR(Nodule-specific Cysteine Rich)ペプチドをコードしている遺伝子群が強く発現している。NCRペプチドとバクテロイド化の関係を解明するため、NCR遺伝子を持たないミヤコグサにNCRペプチド遺伝子を導入・発現させ、ミヤコグサ根粒内のバクテロイドを解析した。発現に特徴のある8種のNCRペプチド遺伝子を選択し、それぞれの遺伝子を発現するミヤコグサ毛状根を作出して根粒を着生させた。根粒内部のバクテロイドを蛍光顕微鏡、電子顕微鏡にて観察し、通常のミヤコグサ根粒内部のバクテロイドと比較した。 3種のNCRペプチド遺伝子については、ヨウ化プロピジウムにて染色されるバクテロイドの割合が増加し、細胞膜の選択透過性に影響を及ぼしているものと考えられた。4種については、細胞の肥大化や変形など、バクテロイドの形態変化が観察された。なかには、ポリヒドロキシ酪酸の顆粒が多数観察されるバクテロイドも存在しており、代謝に影響が出ていることも考えられた。細胞膜の透過性の変化、細胞の肥大化は、タルウマゴヤシのバクテロイドの特徴であり、ミヤコグサのバクテロイドでは観察されない。このことは、タルウマゴヤシ根粒では、NCRペプチドが根粒菌のバクテロイド化に重要な役割を果たしていることを示唆している。タルウマゴヤシ根粒では、300を超えるNCRペプチド遺伝子が発現しているが、異なる機能を持つNCRペプチドの遺伝子が、根粒形成過程で、時間的・空間的に発現調節されることにより、バクテロイド化が誘導されるものと考えられる。
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Research Products
(4 results)