2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06728
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塙 隆夫 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PECHEVA E.V. 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属 / ハイドロキシアパタイト / ナノダイヤモンド / 電着 / 表面分析 |
Research Abstract |
金属表面でのハイドロキシアパタイト(HA)形成のために、擬似体液中での析出が利用されているが、この方法はHA層の形成に長時間を有するという欠点がある。そのため、超音波、電気、紫外線、短波長波などのレーザー照射によるHA形成促進法が考案されている。これまでに、ステンレス鋼表面をカソードとしHAを電着し、その厚さをエリプソメトリーで、組成をエネルギー分散型X線分光で、結晶構造をX線回折で、基盤との接合強さを剥離剪断測定装置で明らかにした。その結果、電解質溶液としてのリン酸イオンとカルシウムイオンを含有する水溶液の組成とpH、電着の際の温度、電位、時間が、生成したHAの形状、厚さ、組成、結晶構造、基盤との接合強さに影響を及ぼすことが明らかになっている。本年度は、電着の際に、水溶液にナノダイヤモンド(ND)を混合させることで、HAとND複合化膜を電析することを試みた。 HA-ND複合層は擬似体液中で-1.5Vで15、30、60min電着することで形成させた。HA-ND電着層をエリプソメータ、X線回折、SEM、ビッカース硬さ計、剥離剪断測定装置を使用して解析した。その結果、炭酸とリン酸を含むHA-ND複合体がステンレス鋼表面に生成しており、その結晶性は低く、[Ca]/[P]はHAのものより小さかった。電着層の形態は電着時間では変化がなかった。HA-ND層はHA単独層よりも硬く、表面にき裂は観察されなかった。電着後の残留応力はHA単独の場合よりも小さいと考えられる。同じ条件でHA-ND電着をチタン表面に対して行ったところ、同様の結果が得られ、本方法が他の金属材料に対しても有効であることが示せた。
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Research Products
(4 results)