2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯産稀少樹木の物理的・音響学的キャラクタリゼーションによる楽器用材としての適性
Project/Area Number |
06F06731
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
湊 和也 京都府立大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BREMAUD I. 京都府立大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 音響特性 / 楽器用材 / 熱帯産樹木 / 抽出成分 / 損失正接 / 比動的ヤング率 |
Research Abstract |
きわめて多岐にわたる木材利用のなかで、楽器用材や音響材料としての用途は限定的で特殊であるが、興味深い研究対象である。それにもかかわらず、その特性や合目的性に関する研究は未だ十分とは言えない。本研究では多様性に富む熱帯産の樹木に着目し、音響学的な観点から特性化を行い、その音響材料としての合目的性を、各種の木製楽器(弦楽器、管楽器、打楽器など)について明らかにし、さらに振動特性を含有成分と関連づけることで、音響特性に対する化学成分の寄与についての情報を得ることを目的としている。成果として、枯渇が懸念されている用材の代替化、代替材の適用による音響材料の性能向上、さらに樹木の含有成分の音響材料への応用などが期待できる。 当該年度においては、おもにインターネットと文献の検索により、アフリカ産及び南米産の熱帯産樹種を中心として、すでに楽器や音響製品の材料として用いられているもの、あるいはその可能性が示唆されるものの中から、可能な限り多樹種を取り上げ、各種の物性値と、振動特性のなかで重要な損失正接及び比ヤング率(ヤング率を比重で除した値)に関するデータの集積と解析を進め、各種物性間の相関性を明らかにする作業を継続している。 一方、すでに有望視されている樹種については、試料を直接測定することを試みている。すなわち、振動特性を測定する一方、振動特性と抽出成分の関係を明らかにするため、とくに抽出成分の分析に焦点を当てた研究を行ってきた。そのなかで、アフリカ産のクワ科の樹木である、ムィラピランガ(Brosimum spp.)材から損失正接を大きく低下させる成分を見出し、その主要成分がXanthyletin及びMethoxsalenであることを化学構造解析から突き止めた。この成果は現在論文に執筆中である。
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