2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯産稀少樹木の物理的・音響学的キャラクタリゼーションによる楽器用材としての適性
Project/Area Number |
06F06731
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
湊 和也 Kyoto Prefectural University, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BREMAUD I. 京都府立大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 音響特性 / 楽器用材 / 熱帯産樹木 / 抽出成分 / 損失正接 / 比動的ヤング率 |
Research Abstract |
広範にわたる木材の用途のなかで、楽器用材や音響材料としての用途は限定的で特殊であるが、興味深い研究対象である。しかしながら、その特性や合目的性に関する研究は未だ十分とは言えない。本研究では多様性に富む熱帯産の樹木に着目し、音響学的な観点から特性化を行い、その音響材料としての合目的性を、各種の木製楽器(弦楽器、管楽器、打楽器など)について明らかにし、さらに振動特性を含有成分と関連づけることで、音響特性に対する化学成分の寄与についての情報を得るとともにデータベース化することを目的としている。成果として、枯渇が懸念されている用材の代替化、代替材の適用による音響材料の性能向上、さらに樹木の含有成分の音響材料への応用などが期待できる。 当該期間においても昨年度に引続き、インターネットと文献の検索により、アフリカ産及び南米産の熱帯産樹種を中心として、既存の楽器や音響製品の材料として用いられているもの、あるいはその可能性が示唆されるものの中から、可能な限り多樹種を取り上げ、各種の物性値と、振動特性のなかで重要な損失正接及び比ヤング率(ヤング率を比重で除した値)に関するデータの集積と解析を進め、各種物性間の相関性を明らかにする作業を行なっている。 一方、有望な樹種(パドウク、スネークウッドなど)については、粘弾性などの測定を試みている。また、物性と抽出成分の関係を明らかにするため、抽出成分の定量分析を行っている。データベースはほぼ完成しており、成果は2007年9月のISMA(International Symposium on Musical Acoustics)で発表した。また、現在投稿論文を執筆中である。
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Research Products
(2 results)