2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06736
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEASSON Marie-aude 大阪大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 圧力誘起超伝導 / セリウム化合物 / 重い電子系 / CePt_2Ge_2 / Ce_2PdGe_6 |
Research Abstract |
セリウムなどの希土類化合物は近藤効果とRKKY相互作用が拮抗し,重い電子系や異方性的超伝導など多彩な物性が出現する.本研究は反強磁性体のセリウム化合物CePt_2Ge_2とCe_2PdGe_6の単結晶を育成し,その基礎物性を明らかにした.更に,圧力下での電気抵抗測定を行い,ネール点T_Nがゼロになる(T_N→0)臨界圧力(P→P_C)で,特異な電子状態と超伝導の発見を目的として,研究を展開した.研究成果は以下の通りである. 1)反強磁性体CePt_2Ge_2とCe_2PdGe_6に注目し,単結晶育成を試みた.ビスマスをフラックスとするフラックス法で単結晶育成に成功した.磁気異方性を含めた基礎物性がほぼ明らかにされつつある. 2)両物質に対して既存の圧力装置を使って圧力の実験を開始した.まず,多結晶体を使ったCePt_2Ge_2の圧力下電気抵抗の実験で,3GPa以上でスピン密度波を想起させる特異な電気抵抗を約3Kで見出した.そこで育成された単結晶試料を用いて精密に実験をしたところ,3GPa以上で超伝導が7Kで出現してしまった.恐らく単結晶育成でわずかに混入したフィルム状のビスマスの超伝導と思われ,現在もとの多結晶に戻して測定を再開しつつある. 3)Ce_2PdGe_6の臨界圧力は6〜7GPaであることが分かったので,ダイヤモンドアンビルセルによって圧力下電気抵抗の測定を行おうとしている.セルの発注と整備に5ヶ月を要したが,何とか整備し得たので,今後8GPa付近までの電気抵抗測定を行いたい.以上の2つの化合物に対して,次年度で研究成果をまとめ,論文とする.
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