2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06736
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEASSON Marie-aude 大阪大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / Ce_2PdGe_6 / CePd_5Al_2 / CeCoGe_3 |
Research Abstract |
セリウムなどの希土類化合物は近藤効果とRKKY相互作用が拮抗し,重い電子系や異方性的超伝導など多彩な物性が出現する.特に磁性体のセリウム化合物に圧力を加えると,磁気秩序温度がT_<mag>が減少してT<mag>→0の磁気量子臨界点に達する.この磁気量子臨界点近傍に重い電子状態や超伝導が期待される.ダイヤモンドアンビルセルでの圧力装置が整備され,3種類の反強磁性体の圧力実験が行われ,以下の研究成果を得た. 1.反強磁性体Ce_2PdGe_6(ネール温度11.2K)では約10GPaまでの圧力実験を行い,8〜10GPaでネール点はゼロになり,重い電子状態になったが,超伝導は発見されなかった 2.今年度発見された超ウラン化合物NpPd_5Al_2と同じ結晶構造を持つ反強磁性体CePd_5Al_(ネール温度4.1K)の単結晶を育成し,約10GPaまでの圧力実験を行った.最初,圧力の増大につれてネール温度は増大したが,約5GPaから減少し,9GPa付近でネール温度はゼロになり超伝導が現れた.10.8GPaでの超伝導転移温度はT_<sc>=0.57Kであり,60mKでの正方晶の[001](c軸)方向に磁場Hを加えたときの超伝導の臨界磁場H_<c2>(0)=2.5kOeであった.山上浩志教授(京都産業大学)のエネルギーバンド理論によれば準2次元電子系の凸凹のあるシリンダー状フェルミ面をしていて,従って、H_<c2>H//[100]ではもっと増大することが期待される.この実験結果は英文にまとめ,J. Phys. Soc. Jpnに投稿した. 3.結晶に反転対称性のない反強磁性体CeCoGe_3の単結晶試料での圧力誘起超伝導が観測された.ネール温度T_N=21Kは約6.5GPaでゼロになり、その圧力付近で超伝導が発現した。T_<sc>=0.69Kでの上部臨界磁場での傾きが著しく大きく,かつそり上がっていることが分かった.スピントリプレット超伝導を示唆する実験結果を得た.3月の日本物理学会で発表し,J. Phys. Soc. Jpn.にも投稿予定である.
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Research Products
(2 results)