2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06745
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
真鍋 俊照 四国大学, 文学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEEKS L.R. 四国大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 尼門跡 / 僧侶 / 曼茶羅 / 歌会 / 如意輪観音 / 涅槃会 / 実時 / 大聖寺 |
Research Abstract |
日本の尼寺とく尼門跡寺院における中世(この場合、室町時代-江戸時代)の歴史構造と尼僧をとりまく、絵画史料、古文書、儀式史料等を調査した。それによって、如意輪観音像が中世においては、女性信仰の礼拝対象であったことが判明した。中宮寺(奈良)の如意輪観音はじめ種々の例があり、真鍋とミークスは、立命館大学のシンポジュームに参加して、共に発表した。また、後水尾天皇の禅道場である地安寺・正明寺(滋賀県)で、その肖像画を調査して、新資料を得た。また、大聖寺(京都市)の「女房三十六歌仙屏風」一双の修理状況を調査し、歌会と尼僧の関連に江戸初期頃の尼僧とのかかわりに新たな見解を得た。真鍋とミークスは、18年度末(2007年3.月)にボストンハーバード大学等で講演と研究発表〔ミークス:アメリカ宗教学会〕を行い以上の研究成果の一部を公表した。 また、神奈川県立金沢文庫にかかわる宝慈院の尼僧肖像「無外如大」模像と北条顕時の位置づけを真鍋は称名寺の信仰の具現として金堂壁画の実際の礼拝対象の調査を行い、その復元画像の研究成を公表した。この壁画は弥勒浄土が舞台であるが、金堂の本尊は北条実時建立の弥勒菩薩立像(鎌倉時代)である。称名寺は、奈良西大寺の律宗系列の東国の拠点であったが尼僧をも重視した西大寺叡尊(えいそん)との関係も視野に入れる必要を痛感する。いずれにせよ、尼僧を軸として、奈良・圓照寺(尼門跡)や曇華院尼門跡の涅槃会・地蔵盆などの仏教行事が中世尼僧たちとどのようにかかわっていたのか、考える必要が生じてくる。「尼寺の尼僧の特異性を今後は考察したいと考えている。
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Research Products
(3 results)