2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06751
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
常田 佐久 国立天文台, Solar-B推進室, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAN Jurcak 国立天文台, Solar-B推進室, 外国人特別研究員
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Keywords | ひので / 可視光望遠鏡 / 太陽磁場 / 黒点 / 半暗部 / ストークス線輪郭 / ストークスインバージョン / 電磁流体力学 |
Research Abstract |
「ひので」衛星に搭載された可視光望遠鏡は、世界で始めて宇宙から、高い時間空間波長分解能で、偏光した吸収線輪郭を取得する。磁場のある大気での輻射輸送理論は海野により創始されたが、その後の進展、とくにMilne Eddington近似による標準手法を超えた大気の診断手法は、国外で発展した。最近は、大気の深さ方向の磁場や速度場を求める手法研究が盛んである。この中で、SIR(Stokes Inversion with Response function)は、最も有力な手法の一つと考えられており、Jurcak氏は、SIR法を、地上観測データに適用して研究を行ってきた。この手法は、スペースで取得された高分解能データに適用することにより、初めてその性能が遺憾なく発揮される。Jurcak氏は「ひので」衛星データ解析チームに参加し、初期観測データの解析、「ひので」のデータ解析にSIR法を適用する研究、さらにそれを駆使した太陽磁場・太陽の電磁流体現象の研究を行った。 「ひので」衛星に搭載された可視光望遠鏡のスペクトルポーラリメーターのデータは、当該研究員の来日時期に試験観測が開始され、予定通り最初のデータが利用可能となった。この種データは、今まで地上望遠鏡でのみ得られており、今回、字宙から始めてのデータが得られることになり、前例となるものがない。このため、当該研究員は、データの解析に必要な観測装置の理解・較正データの確認をした上で、最初に取得した生観測データの検討を十分に行った。この上で、SIRを「ひので」の観測した黒点半暗部の生データに適用し、半暗部の磁束管の深さ方向の情報を求めた。これは、「ひので」の観測データにSIR法を適用した最初の例である。
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