2006 Fiscal Year Annual Research Report
不斉アザディールス・アルダー反応を用いる トロパンアルカロイド類の合成
Project/Area Number |
06F06752
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JURCIK Vaclav 東京大学, 大学院薬学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | Lewis酸触媒 / 不斉アザディールス・アルダー反応 / ニオブ / 付加環化反応 / イミン / Danishefskyジエン |
Research Abstract |
含窒素化合物は、医薬品を始め、農薬・重合体・機能性材料などに不可欠な化合物であり、その中には、窒素原子が不斉炭素に直接結合しているものが多数ある。その上、その立体配置が機能と密接に関連している例が多い。従って、不斉中心を持つ含窒素化合物の合成法は極めて重要であり、中でも最も重要な反応の一つにDiels-Alder反応がある。これまでに、本反応を立体選択的に促進する触媒系は数例報告されているものの、いずれも問題が残されており、より活性の高い触媒開発が必要である。最近、当研究室ではニオブ(V)塩と4配位BINOL誘導体から得られる新規Lewis酸触媒がメソエポキシドやメソアジリジンの開環反応に有効であることを明らかにした。今年度では前述のNb(V)触媒系をDiels-Alder型反応に用い、同反応を従来にはない高い選択性で促進する新合成法の開発を目指して研究を行った。 今年度は上述のDiels-Alder型反応の基礎研究を行い、本反応における触媒となるNb(V)に対して有効なニオブ塩・配位子の組み合わせ(ニオブ源、配位子の置換基やハプト数など)を検討した。反応成分であるジエノフィルやジエンをそれぞれ、イミンやDanishefskyジエンとし、反応条件、特に反応溶媒・温度などの検討も行った。現時点で上記の研究より見いだした新規反応系を適用すると、目的化合物が高収率かつ高ジアステレオ選択性をもって得られることを明らかにしている。
|