2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06768
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SVEGSTRUP Rolf Dyre 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 場の量子論 / 共形場 / 作用素環 / half-sided modular inclusion |
Research Abstract |
代数的場の量子論では2次元の理論から制限によって1次元の理論を作ることができるが、この制限によってある種の情報は失われる。強加法性の仮定の下では、1次元の理論は片側モジュラー包含によって完全に記述できる。2次元の理論を1次元の理論に制限する際に失われる情報は別の片側モジュラー包含によって保存される。逆に1次元の理論から出発すれば、そこに片側モジュラー包含の情報を追加することによって2次元の理論が回復できる。重要な問題は、この手続きによっていつ、相互作用のある理論、つまり自明でないS行列を持つ理論が作れるかである。さらに一般的には、どのような付加データがあれば、片側モジュラー包含から高次元の理論が作れるか、が考えられる。たとえばn次元の理論と、たちのよい片側モジュラー包含からn+1次元の理論が作れるであろうか?この問題に対して一般的な解答が得られれば、根本的な未解決問題、すなわち4次元時空上の相互作用のある理論の構成を解決できることになる。これが私の研究テーマである。 Gandalf Lechnerとの議論をもとに私は、次元を増やす際の片側モジュラー包含の条件を研究した。特に重要なポイントは、次元が高い方の理論を相互作用を持つようにすることである。さらに2次元理論を1次元に制限する際に、楔型領域への制限をLie環の作用を使って調べるが、この際に必要な条件について、一つの散乱関数S_2から相互作用が作られる場合に研究を行った。
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