2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06768
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SVEGSTRUP Rolf Dyre 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 場の量子論 / 共形場 / 作用素環 / half-sided modular inclusion |
Research Abstract |
代数的場の量子論においては,有界時空領域でインデックスづけられた,フォンノイマン環の族によって場の量子論を記述する.発見的考察法の立場からは,各時空領域での観測可能量がこのフォンノイマン環を生成すると考えられる. 2次元時空上でこのような理論を考えた場合,光線上に理論を制限することにより1次元の理論を作ることができる.この制限という操作によって理論の情報が当然いくらか失われるが,強加法性を仮定すれば,制限後の1次元の理論は片側モジュラー包含で記述される.逆に制限された低次元理論から高次元理論を再構成する方法を確立することが本研究の目的である.ここでもやはり,片側モジュラー包含に含まれる情報を考察することが重要である.特に相互作用を持つ理論をこの手法により構成することが重要なテーマである.一般に,n次元の理論からn+1次元の理論を再構成する問題を研究している. 前に来日したGandalf Lechnerとの議論,それに続くメールのやり取りによる議論を通じて,片側モジュラー包含を用いたこの再構成問題を研究した.特に今年9月にはオーストリア・ウィーンのシュレーディンガー国際数理物理学研究所を訪問し,開催中のワークショップ「作用素環,共形場理論と関連する話題」に出席して,同研究所に長期滞在中のGandalf Lechnerを含む多くのヨーロッパ,特にドイツ,イタリアの専門家と議論し,この問題についての考察を深めた.
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