2007 Fiscal Year Annual Research Report
施設野菜の高能率かつ安全な周年栽培技術システムに関する研究
Project/Area Number |
06F06772
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
篠原 温 Chiba University, 園芸学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEI Min 千葉大学, 園芸学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 養液栽培 / バッグカルチャー / CO_2施用 / 高濃度CO_2 / 環境制御 / 空気二重膜被覆 / 野菜栽培 |
Research Abstract |
日本の養液栽培の設置面積は1,500haに達し、順調に増加を続けている。養液栽培の実用化は日本から開始され、技術的なレベルは世界をリードするものとなっている。本研究は、受け入れ教員が最近精力的に取り組んでいる培養液の量的管理方法を用いて、トマトの高位生産を行おうとするものであり、国外での研究はほとんど実施されていない。これまで、CO_2施用は1,000ppm程度の濃度を上限として日の出から換気前の時間帯について行われるのが一般的であったが、低段密植栽培では、より高濃度のCO_2施用が有利である可能性が考えられる。本試験では、日射比例型の培養液量的管理を行い、3,000ppmの高濃度CO_2施用に関する試験を実際のプラスチックハウス内で行った。CO_2施用は、液化炭酸を用いて行い、専用の制御装置を試作して目的濃度に維持した。施用時間は日の出前30分から側窓換気までとし、夕方側窓閉鎖後日没までの時間帯も補足的に行った。側窓換気は、温度による自動制御を行い、種々の環境条件を計測し、解析に用いた。 本年度はプラスチックハウス内で、簡易バッグカルチャー方式を用いてトマトを栽培した。灌液量・灌液頻度・灌液濃度などの培養液管理は、日射比例型の量的管理システム採用し、施設内のCO_2濃度を1000〜3000ppm程度まで高める高濃度CO_2施用、また空気二重膜被覆に関する試験をプラスチックハウスで行った。生育と収量ならびに品質に与える影響を調査した。また今回,二重膜の内側のフィルムとして適した性質を持つプラスチックフィルムを新たに開発し,試験に供試した。空気二重膜被覆により断熱効果を高めた結果,プラスチックハウス内の暖房にかかる灯油量は40%削減された。一層被覆との比較では、到達日射量は低下したが、初期成育に関しては第1果房の到花日数や各種調査項目ともに一層被覆のものと差がなく、収量に関しても空気二重膜被覆区における収量の減少は見られなかった。 以上より、CO_2濃度を1000〜3000ppm程度まで高める高濃度CO_2施用することによって、二重膜による到達日射量の低減を補償できることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)