2006 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノ粒子触媒を用いたエタノールの酸素酸化によるアセトアルデヒドと酢酸の直接合成
Project/Area Number |
06F06773
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
春田 正毅 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Yunbo 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金ナノ粒子 / 触媒 / エタノール / 選択酸化 / 酢酸 / サイズ効果 / 担体効果 / 触媒調整法 |
Research Abstract |
バイオマスから生産されるエタノールを原料とする新しい化学プロセスを開拓することを目的として、気相でエタノールを分子状酸素と反応させて酢酸を一段で合成することを目標とした。先ず、そのための固定床流通式触媒反応器を設計し、その試作を終えた。次に、種々の金属酸化物に金をナノ粒子として分散・固定し、CO酸化反応に対する触媒活性を測定し、エタノール選択酸化に有効な触媒のスクリーニングを行った。 先ずTiO_2とCeO_2について比表面積と金ナノ粒子を担持した場合のCO酸化触媒活性との間には相関関係が見られないことが判明した。TiO_2ではDegussa社製のp25が、CeO_2では比表面積が20m^2/gと小さいが純度の高いものが担体として優れていた。次に、Co_3O_4とNiOを担体とする場合は、Auの仕込み担持量を1wt%と低くしても、析出沈澱法より共同沈澱法の方が高いCO酸化触媒活性を与えるという不思議な結果となった。また、Al_2O_3を担体として析出沈澱法で金ナノ粒子を担持する場合は、出発水溶液のpHが7の方が9より高い触媒活性を与えた。さらに、予備的にこれらの触媒の一部について液相でのエタノールの酸素酸化を行った結果、酢酸が50%以上の選択率で得られることがわかった。 以上の結果に基づいて、エタノールの気相酸化反応に有望と思われる金触媒の選定を行った。今後はこれらの触媒活性と選択性についてCO酸化とエタノール酸化で比較を行い、新しい触媒を生み出す原理を抽出して行く計画である。
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