2008 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノ粒子触媒を用いたエタノールの酸素酸化によるアセトアルデヒドと酢酸の直接合成
Project/Area Number |
06F06773
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
春田 正毅 Tokyo Metropolitan University, 大学院・都市環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Yunbo 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金ナノ粒子 / 触媒 / エタノール / 選択酸化 / 酢酸 / CO酸化 / 担体効果 / 前処理効果 |
Research Abstract |
バイオマスから生産されるエタノールを安価で豊富に存在する分子状酸素(または空気)を使って選択的に酸化して、酢酸を一段で作ることは環境にやさしい化学プロセスの一つとして注目を集めている。エタノールの液相酸化について金ナノ粒子触媒を使って実験的に調べたところ、金ナノ粒子の担体としては、Cu^+ドープにより半導体性を向上させたNiOが最も有効で、85%以上の選択姓で酢酸を生成することを見出した。また、空気中焼成した金触媒を、水素気流中100℃で前処理すると、触媒活性および酢酸選択性が向上することから、触媒の前処理が触媒調製の重要な一工程であることを知ることが出来た。そこで、単純系である卑金属酸化物の触媒特性が前処理によってどのように変わるか、最も簡単な反応系であるCO酸化を例にとって詳しく検討を行った。その結果、n型半導体性を示すCo_3O_4,NiO,MnO_2の場合は、150-250℃の温和な温度条件で、空気、COを含有する空気、または窒素中で前処理によって、COを-80℃でも酸化できるようになるという驚くべき現象を見出した。速度論的解析、低温からの昇温脱離実験、ガス中の水分の分析などから、上記の前処理は金属酸化物表面に欠陥を作るために必要な操作であることが判明した。Co_3O_4の場合を例にとり、結晶構造に基づいた原子レベルでのCO酸化反応機構を提唱した。これらの研究成果は、室温で働き貴金属を使わない空気浄化触媒やバイオマスを原料とする新しい化学の開拓につながると期待され、その意義は深い。
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Research Products
(3 results)