2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUILLOT M.C.S. 東京大学・大学院理学系研究科
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Keywords | 人工核酸 / ヌクレオシド / 大量合成 / 伸長反応 / クリック化学 |
Research Abstract |
本研究は,新規人工核酸の開発に関するものであり,我々がこの2年手がけている核酸複合体の研究をGuillot氏の生物科学的バックグラウンドを活用して大きく展開しようとするものである.人工硫酸の研究は,核酸ミミックとしての機能のみならず,近年では材料化学やナノ科学分野でも活用されている.本研究提案では,ヌクレオシド類縁体の多量化反応に,Sharpless教授の精力的な研究によって近年目覚ましい進展を遂げている「Click Chemistry」という精密有機合成手法を持ち込むことで,柔軟性が高く,応用性の広い人工核酸の創製を目指すものである.本研究課題開始時までにclick chemistryを利用した人工核酸伸長反応が可能であることは確認したが,単量体を大量に合成する手法の確立されていなかった.さらに,予備的検討ではチミン塩基のみでの実施例しかなく,将来の拡張性に疑問が持たれていた. 本研究では,人工核酸としての実用的応用を念頭に,まずはチミン型単量体の大量合成法を確立した.この検討により数グラム単位での物質供給が可能となった.この成果については日本化学会春季年会での口頭発表を行っている.年度後半では,核酸配列の多様性を実現するべく,チミン以外の塩基,アデニン,グアニン,シトシンを導入した人工核酸の設計・合成に着手した.この検討では,トランスグリコシル化を鍵とした反応を開発し,小スケールながら実現可能であることを見いだした.次年度からは,本年度に合成経路を確立した手法をもとに4塩基すべての単量体供給を検討する.
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