2006 Fiscal Year Annual Research Report
漢蔵諸語・新出工資料を用いた中国語「音転」現象の総合的研究
Project/Area Number |
06F06780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 克也 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Z. 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 中国語 / 音転 / 音韻学 / 訓詁学 |
Research Abstract |
主たる研究遂行者である呉澤順研究員は、2006年11月8日に東京大学に到着後、11月12日より課題の研究を開始した。現在に至るまでに行なった研究は下記の通りである。 まず、受入研究者である東京大学の大西克也助教授と相談の上、当面の課題として漢語音転現象の研究史の記述に着手するとともに、その研究計画を以下のように策定した。(1)概論、(2)音転研究の濫觴である先秦時期の文献に見られる声訓現象の整理、(3)その成果が蓄積された両漢魏晋時代における経典の注釈と訓詰の研究、(4)唐宋元明時代における音転研究の衰退とその特徴、(5)清代音転研究の成果とその特色、(6)近現代における音義関係の科学的、言語学的な研究とその成果。(7)総括。そのうち(3)から(6)を重点的に行なう。本年度は上記のうち(1)(2)を重点的に行ない4万字程度の文章を完成させた他、(3)については『白虎通義』、『方言』に見られる音転現象の整理研究を行なった。この他2007年2月に中国湖南省湖南師範大学等で陳建初教授の博士論文『釈名考論』等関連資料収集を行ない。『釈名』における音転現象研究に関する意見交換を行なった。これらは次年度以降の研究に活用される予定である。 一方受入研究者である大西は、戦国秦簡時代の出土資料における音転に関連する現象の探求を担当することとし、本年度は主として戦国楚簡において舌音と牙喉音とにまたがる諧声符の振る舞いを整理し、音転現象との関わりを考察している。
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