2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06782
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCARDIGLI Fabio 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 重力理論 / 一般化された不確定性原理 / ブレーン世界説 / 高次元ブラックホール |
Research Abstract |
2007年度は主に以下のテーマに関する研究を行った。 1.トフトが提案している「決定論的量子化」とその応用 2.一般化された不確定性原理と極小ブラックホールとの関係 3.ホログラフィーを満たす一般化された不確定性原理 1,の決定論的量子化とは,散逸構造を持つ決定論的古典系がある極限で量子論的振舞いを示すという事実に基づいている。そこで,この理論を太陽系の惑星の運動に適用して,惑星軌道の波動関数を導入し,軌道の分布関数を導いた。その結果,土星のまわりに分布するリングの内半径などに関して理論的予言と観測との良い一致得られた。そして,太陽系の惑星がほぼすべて同一面内に存在していることを,対応する波動関数の特異点の性質として捉える可能性を指摘した。さらに2つの散逸を伴う古典的ベイツマン振動子の相互作用が,適当な条件の下でスピン・軌道相互作用をする調和振動子と等価であることを示した。 また,2.の一般化された不確定性原理に関しては,非常に広いクラスのブラックホール解について,通常のハイゼンベルグの不確定性からホーキング輻射の温度を導出できることを示した。この結果は,一般化された不確定性原理がほとんどの場合,不必要な原理であることを示唆している。 3.に関しては,4+N次元時空において,どのような計量がホログラフィックな一般化された不確定性原理を満たすのか,を調べた。その結果,もし余剰次元が存在し,かつホログラフィーの要請を同時に満たすと仮定すると,ミクロのレベルでは必ず等価原理が破れていなければならないことが分かった
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Research Products
(1 results)