2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際リニアコライダーのためのカロリメータ検出器の開発研究
Project/Area Number |
06F06791
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川越 清以 神戸大学, 自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEANS D.T. 神戸大学, 自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ILC / カロリメータ / PFA / クラスタリング / テストビーム |
Research Abstract |
国際リニアコライダー(ILC)は次世代の最高エネルギー電子陽電子衝突実験のための線形衝突型加速器であり、質量の起源(ヒッグス粒子)や時空の新しい対称性(超対称性など)に関する画期的な物理成果が期待されている。その物理成果をILC実験の測定器で実現するには、既存の実験で用いられてきた測定器の性能をはるかに超えるジェットエネルギーの分解能が要求される。そのためには、荷電粒子を主として飛跡検出器で、中性粒子を主としてカロリメータで測定し、その重複を解いてジェットのエネルギーを測定するアルゴリズム(PFA=Particle Flow Algorithm)が必要である。日本を中心とする国際的な測定器開発グループは、PFAに適したカロリメータとして、細分化されたシンチレータストリップ/タイルと新開発の小型半導体光センサーを用いた高性能サンドイッチ型カロリメータの開発研究を行っている。今年度の成果を以下に示す。 1.測定器シミュレーションとPFA解析アルゴリズムの開発 (1)ILC測定器のフルシミュレーションによる事象を用いて、PFAによるジェットエネルギー分解能の評価を行った。特に、π^0->γγの再構築を使った分解能の向上に取り組んだ。 (2)カロリメータのヒット情報から粒子に対応するクラスタを再構成するための新しいアルゴリズムの開発に着手した。 以上の研究内容について、北京で開催されたILCのワークショップBLCWOで成果報告を行った。 2.電磁カロリメータのプロトタイプの製作と性能評価 電磁カロリメータのプロトタイプの性能評価を行うため、ドイツシンクロトロン研究所(DESY)に約3週間滞在し、1GeVから6GeVの電子ビームを照射してテストビーム実験を行っている。4月以降、そのデータ解析にあたる。
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