2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際リニアコライダーのためのカロリメータ検出器の開発研究
Project/Area Number |
06F06791
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川越 清以 Kobe University, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DT Jeans 神戸大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ILC / カロリメータ / PFA / クラスタリング / テストビーム |
Research Abstract |
国際リニアコライター(ILC)は次世代の最高エネルギー電子陽電子衝突実験のための線形加速器であり、質量の起源(ヒッグス粒子)や時空の新しい対称性(超対称性)に関する画期的な物理成果が期待されている。ILC実験の測定器には、既存の実験で用いられてきた測定器の性能をはるかに超えるジェットエネルギーの分解能が要求される。そのためには、荷電粒子を主として飛跡検出器で、中性粒子を主としてカロリメータで測定し、その重複を解くことで精度よくジェットエネルギーを決定するアルゴリズム(PFA=Particle Flow Algorithm)が提案されている。日本を中心とする国際的なILC測定器開発グループは、PFAに適したカロリメータとして、細分化したシンチレータストリップと小型半導体光センサーMPPCを用いた高性能サンドイッチ型カロリメータの開発研究を行っている。ジーンズ博士はこの開発研究の中核メンバーであり、以下の成果をあげた。 1.PFA解析アルゴリズムの開発 (1)シンチレータストリップを用いたカロリメータのクラスタリングアルゴリズムの開発。 (2)Geant4を用いたILC測定器シミュレーションプログラムで生成したハドロンジェット事象を用いて、上記のクラスタリングアルゴリズムを用いたPFAによるジェットエネルギー分解能の評価。 2.テストビーム実験によるカロリメータの性能評価 (1)2007年3月にドイツのDESY研究所で行ったテストビーム実験のデータを用いたプロトタイプカロリメータの詳細な性能評価。 (2)2007年9月にKEKで行ったシンチレータストリップの改善のためのテストビーム実験の遂行とデータ解析・性能評価。 以上の成果は、すでに多くの国際研究会などで口頭発表している。DESYのテストビーム実験に関する論文は今夏出版予定である。
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Research Products
(6 results)