2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学センサのアレイとマイクロ流体容器を集積化したデバイスによる一分子酵素活性の観測
Project/Area Number |
06F06801
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GILLOT Frederic Nicolas 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ISFET / 薄膜 / カルシウム |
Research Abstract |
マイクロスケール、ナノスケールで生体反応を正確に理解するためには、特別な測定装置が必要である。特に、個別の生化学反応をモニターすることが必要であり、低濃度のさまざまな生成物や副産物を測定することが非常に興味深い。 我々は、特別なイオン選択性電極と電界効果型トランジスタ(ISFET)のアレイを設計し、製作することを提案した。我々は、インスリンの精製能力を持つ膵臓細胞(β細胞)の活性について、特に注目することにした。インスリンはカルシウムを含むため、インスリンの濃度を測定するためにCa^+イオンの濃度を測定することが可能である。 ISFETはSiO_2とSi_3N_4の薄膜状のものが主流で、pH測定に広く用いられている。特定のイオン種に対して正確で選択性に優れたISFETを作るためには、薄膜の組成やサイズが非常に重要である。 低濃度Ca^+を測定するための薄膜を特性評価するために、我々はまずガラス基板上のPt電極を使うことにした。直径4μmから8μmの円形状のPt電極をアレイ状に作成することに成功した。作製にはガラス基板上へPtをスパッタし、その上にSiO_2をスパッタした。SiO_2レイヤはPtのエッチングマスクとして用いる。リソグラフィにより電極パターンを作製し、化学的かつ物理的な反応性イオンエッチング(RIE)を施すことで、Pt電極を作製する。そして、その電極の上にPVCと特殊なシリコンの膜を堆積させる。この2つの膜は、Ca^+測定において重要な役割を担うイオノファーETH1001を含む。こうして作製された薄膜の選択性は電位差測定装置を用いて、その精度とβ細胞のモニタリング中に現れるK^+やNa^+などの他のイオン種に対する選択性について測定中である。さらに、SN比を上げるため膜厚をサブマイクロオーダーまで薄くするための成膜プロセスのパラメーターについても模索中である。
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