2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REVILLOD Guillaume 京都大学, 工学研究科, 博士研究員
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Keywords | ハイパーレイリー散乱 / HRS / イオン液体 / イオン性液体 / 常温溶融塩 / AOT / BEHSS / DOSS |
Research Abstract |
本年度の半年間では、まず、研究従事機関所有の第二高調波発生(SHG)分光測定装置を改良し、ハイパーレイリー散乱(HRS)光の検出を可能にした。顕微鏡レンズによる集光や単一光子計測法による光検出により、毎秒数千カウントという高効率でHRS光を検出することが可能となった。はじめに、分子性溶媒のHRS測定を行ったところ、精度よくHRS光の検出ならびに偏光依存測定による偏光パラメータ解析が行えることがわかった。続いて、今だ報告例のないイオン液体バルクのHRS測定を行った。種々のイオン液体を試みたところ、ほとんどのイオン液体では、蛍光強度が非常に大きくHRS測定が困難であったが、tetraalkylammonium bis[2-ethylhexyl]sulfosuccinateの場合に、蛍光強度が小さく、かつ、HRS光強度が高いことを見出した。カチオンの鎖長を系統的に変化させてHRS測定を行ったところ、HRS光強度・偏光パラメータともに、大きな鎖長依存性が見られた。このことより、HRSの源となっているアニオン間の配向の相関関係がカチオンのサイズに大きく依存していることが明らかとなった。HRSは、イオン液体のバルクのミクロスコピックな構造に関する知見を得るために有用な手段である。このイオン液体を分子性極性溶媒で希釈した場合、2種のイオン液体を混合した場合についても同様にHRS測定による検討を行った。
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Research Products
(7 results)