2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06805
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DENICHOUX Aurelien 大阪府立大学, 理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ルテニウムヒドリド / ルテニウムエノラート / クロスカップリング反応 / アルデヒド / ヒドラゾン |
Research Abstract |
当研究室では、ルテニウムヒドリド触媒による、第一級不飽和アルコールの二量化反応により、ヒドロキシメチルケトンが生成する反応を最近見出している。また、エノンとアルデヒドとのクロス型反応が進行し、1,3-ジケトンが得られることも見いだしている。本研究では、このルテニウムヒドリドによる触媒反応を発展させ、あらたな原子効率に優れたクロスカップリング反応を開発することを目的としている。また、これらの反応の反応機構に関する知見を得るため併せて検討を行った。 本年度は、ルテニウムヒドリドによるエノンとアルデヒドとのクロス型付加反応を検討し、環状構造や多官能性の複雑な構造を持つ基質に対する適用を検討した。その結果、環状エノン、3置換エノン、分子内にアセチレン官能基を有するエノンも適用可能であること、種々の官能基を有するアルデヒドが適用可能であることを明らかとし、本触媒反応の一般性を拡張することができた。 また、第一級不飽和アルコールの二量化反応においては、第一級不飽和アルコールの異性化により生成するアルデヒドと、系中で生成するルテニウムエノラートとの反応を鍵段階としているものと考えている。本反応におけるアルデヒドの生成を確認するため、種々のトラップ剤を添加し反応を行いアルデヒドの捕捉をを試みた。系中にヒドラジンを添加して反応を行ったところ、アルデヒドがヒドラジンによりトラップされ、ヒドラゾンが良好な収率で得られることを見いだした。
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