2007 Fiscal Year Annual Research Report
引張あて材細胞壁のセルロースセルロースミクロフィブリル超微形態とそのバイオメカニクス的意義
Project/Area Number |
06F06811
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 浩之 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUELLE JulienPierre 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | セルロースミクロフィブリル / 結晶構造 / 負重力屈性 / 引張あて材 / 細胞壁 / バイオメカニックス / ゼラチン層 / 成長応力 |
Research Abstract |
木部繊維の二次細胞壁におけるセルロースミクロフィブリルの分布様式(細胞壁に占める割合や微結晶繊維の配向角度)およびその結晶特性(結晶化度、単結晶サイズなど)は,樹木の成長様式や生態の多様性(バイオメカニックス挙動の多様性)を理解する上で,きわめて重要な情報を与える.本研究課題では,とくに特異な物性とバイオメカニックス挙動を示す引張あて材細胞壁に着目し,エックス線回折技術,高解像度電子顕微鏡観察技術、さらにはフィールドでの成長応力測定(解析)技術を利用して,上記研究課題の遂行をはかった,一方で,本研究課題代表者および分担者は,熱帯天然林でのフィールド研究について深い経験を有しているため,当研究室とフランス・モンペリエー大学との共同研究に(日本学術振興会による二国間共同研究プログラム)に参加した.これによりさまざまな形態的特徴と挙動を示す各種の引張あて材試料を入手し,与えられた研究課題のより一層の深化をはかった。以上から,広葉樹あて材では,、細胞壁に高純度かつ高配向性のセルロースミクロフィブリルからなるゼラチン繊維を形成することによって,セルロースミクロフィブリルの収縮力を,効率的に負重力屈性発現のための力へと変換していることなどを明らかとした,また,引張あて材の乾燥収縮過程におけるG層セルロースの特異な挙動を発見した。
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Research Products
(3 results)