2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然森林資源と自国都市における消費活動の相互連関についての研究(ブラジルを例にして
Project/Area Number |
06F06820
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GADDA Tatiana Maria Cecy 京都大学, 経済研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 消費 / 森林 / 農地 / サンパウロ / 都市化 |
Research Abstract |
都市における自然資源の消費活動、とくに木材消費の研究をすすめるにあたって懸念される問題があることは否めない。一人当たりの木材消費量の把握が必要となるが、ある程度の消費量の予測は可能であるが、実際に算出が行われているケースは少ない。また、もう一つの問題点は、一般的に木材のデータについては、植林したもの、伐採したものが合算されているケースが多い。さらに、実際、違法伐採が多いのにもかかわらず、その数は統計に含まれていない。また、木材の工業、商業用のデータの確認は容易であるが、実際にその都市においてどのくらいの量が消費されたかを計るのは困難である。これらの問題点を踏まえた上で、さまざまな方法によりこの研究に取り組むことにより、森林資源と都市におけるその消費活動についての相互関係をサンパウロの事例から探っていく。 この研究を進めるにあたって2007年1月および3月に現地調査をおこなった。RBCV等現地の有力な研究機関、および研究者を訪ねインタビューを行った。この事前調査の結果、小規模農業はサンパウロにとって森林地帯が都市化されるのを防ぐという意味で大きな役割を果たしているのではないかと考えられる。現在、収集しているサンパウロの地域要因に関するデータが、都市化が進む中、その都市化への圧力を緩和する上で、都市周辺の農業用地と森林地帯の重要性、その相互作用および関係を模索するために非常に重要と考えられる。実際過去にこの分野において都市の消費パターンについての類似研究があるかどうかが懸念されるが、今後、研究者、政府関係者のインタビュー、持続可能な消費について収集した資料の分析を2つの柱として今後研究を進めていく予定である。
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