2006 Fiscal Year Annual Research Report
コナガの生物的防除に対するTrchiogrammaの共生微生物Wolbachiaの影響
Project/Area Number |
06F06903
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
三浦 一芸 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 近畿中国四国農業研究センター総合的害虫管理研究チーム, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAVIES Andrew Paul 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | コナガ / 生物的防除 / 卵寄生蜂 / Trichogramma / 共生微生物 / Wolbachia |
Research Abstract |
生物的防除で害虫を防除する際に使われる天敵は殆ど雌である。そのためよく利用される天敵寄生蜂の産雌性単為生殖系統は有用と考えられる。最近,共生微生物ボルバキアWolbachiaによって寄生蜂が単為生殖化することが知られてきた。しかし,室内実験ではボルバキアによって単為生殖化した寄生蜂の生活史特性に負の影響がでることが報告されているが,天敵利用を目的として寄生蜂の形質については詳細に調べられてはいない。そこで,生物的防除に利用にボルバキア感染系統が有利かどうかを詳細に検討する。実験材料としてはアブラナ科重要害虫コナガとその有力天敵卵寄生蜂Trichogrammaのボルバキア感染系統と非感染系統を利用する。本年度は11月末に来日と非常に短い時間であったが以下のことを行った。 1.害虫コナガの累代飼育系の構築:コナガの簡易飼育法を確立した。特質すべき点はコナガ卵を実験に簡単に利用できるように産卵用基質としてフィルムを利用するように工夫した。 2.Trichogrammaのボルバキア感染系統と非感染系統の飼育系統の確立:常時利用できるように大量増殖するルーチンを構築した。また,各系統の種名をDNAのITS2領域を解析して確かめた。 3.新たなTrichogrammaのボルバキア感染系統の探索:いろいろな系統を比較する実験を行うため,新たな系統の探索を試みた。探索はすでにボルバキア感染系統が確認されているアメリカ合衆国ハワイ諸島で2007年2月に行った。その結果,複数の個体が採集された。しかし,感染の有無はまだ確認されていない。また,ハワイ大学の研究者と研究打ち合わせを行った結果,別の感染系統を分譲していただくこととなった。 4.コナガ卵に対する探索行動および寄生行動解析:フイルムに産卵させたコナガの卵に対するTrichogrammaの探索行動および寄生行動についての観察実験を継続中である。
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