2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06917
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
甘利 俊一 The Institute of Physical and Chemical Research, 甘利研究ユニット, ユニットリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDAI Attila 独立行政法人理化学研究所, 甘利研究ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | 情報幾何 / 量子情報 / 計量 / 接続 / 曲率 / 正値行列 |
Research Abstract |
量子情報幾何における、非可換代数に担われている情報の構造と量(Bogolubov-Kubo情報量)を、統計的情報幾何における確率分布に担われている構造と量(Fisher情報量)と比較し、その対応関係と差異を明らかにすることを目標に研究を進めた。これは空間のリーマン計量に関係するが、さらにこれと関連している双対アファイン接続との関係を具体的に精査することが必要になる。量子情報に役立つ情報幾何の本格的体系を基礎から再構築する手がかりを見つけるために、まずn次正値行列からなる空間S_nを考え、不変性を満たす条件のもとで可能なアルファダイバージェンスを二種類発見した。これにより、空間S_nの備えるリー々ン計量と双対幾何構造を導入した。これには二つの系列があるのだが、それぞれ量子密度行列および統計ガウス分布に由来するものである。 これに関連して、多次元ガウス分布のつくる高次元多様体について、リーマン計量、リーマンクリストフ曲率テンソルおよびスカラー曲率を具体的に計算することに成功した。これは双対構造をひとまず度外視して、リーマン計量構造に絞ったものである。ここにさらに、双対構造を導入することに成功した。また、量子構造に由来する空間についても、その双対構造を陽に求めた。 多次元ガウス分布多様体は、正定値対称のn次元行列と、位置を示すn次元ベクトルをパラメータとするn(n+1)/n+n次元の空間である。ここでのリーマン計量は複雑な構造を持つが、これを座標系に頼ることなくいわゆるコオーディネート自由な表現形式で陽に求めることにも成功している。
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