2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J00019
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小谷 真也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品バイオテクノロジー研究領域生物機能解析ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | 放線菌 / 気菌糸 / 活性物質 / 構造決定 / foroxymithine / coelichelin / シデロフォア / 鉄キレート |
Research Abstract |
放線菌はグラム陽性細菌でありながらカビのような複雑な生活環を持つことから形態分化のモデル生物として研究が行われている。その生活環の特徴は、生育後期において気菌糸と胞子を作ることである。最近の研究でランチビオテック様のペプチドが放線菌の気菌糸を誘導することが明らかとなった。そこで、さらなる新規気菌糸誘導物質の探索を目的として、放線菌9株のアセトン抽出物を用い放線菌S.coelicolorの気菌糸誘導活性を指標にスクリーニングを行った。その結果、S.narbonensisの抽出液に活性が見られた。さらに大量培養および各種クロマトグラフィーを用いた単離を行い精製物を得た。NMRおよびMSスペクトルの結果から既知化合物のForoxymithineであると同定した。 Foroxymithineはアンジオテンシン変換酵素阻害物質として報告されているが、coelichelinというシデロフォア物質との構造の類似性から鉄をキレートする作用を持つことが予想された。実際に鉄キレート実験を試みたところ、シデロフォア活性が見られた。鉄を欠くdefferi-foroxymithineと鉄キレート状態のferri-foroxymithineでS.coelicolorに対する気菌糸誘導活性の違いを見たところ、defferi-foroxymithineのみ活性が見られた。この結果は、foroxymithineが鉄取り込み以外の作用で気菌糸を誘導することを示唆するものであり予想を裏切るものであった。さらに、このforoxymithineを用いてその気菌糸誘導作用システムの解明を分子生物学的手法によって明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)