2006 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の体色調節ホルモンニューロンの脳内ネットワーク
Project/Area Number |
06J00046
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阿見弥 典子 北里大学, 水産学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 脳 / ネットワーク / メラニン凝集ホルモン / 黒色素胞刺激ホルモン / 生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン / オレキシン / 免疫組織化学染色法 / 時間分解蛍光免疫測定法 |
Research Abstract |
1.黒色素胞刺激ホルモン(MSH)の時間分解蛍光免疫測定法(TR-FIA)の確立 MSHの機能解明の基礎としてTR-FIAを確立した.第2抗体固相化後,α-MSH抗体,標準または未知試料,およびユーロピウム(Eu)標識α-MSHを添加して競合反応させ,最後にEuの蛍光強度を測定した.α-MSH 0.98〜500ng/mlで標準曲線が得られた.変動係数および各種ペプチドホルモンとの交差率は低かった.ヒラメ,マツカワ,トラフグ,ウナギの脳・下垂体・血漿抽出物の競合曲線は標準曲線と平行になった.以上より,本測定系が魚類一般のα-MSHの測定に有効であることがわかった.白または黒水槽で飼育したヒラメの下垂体α-MSH量は黒水槽で低く,血中濃度は黒水槽で高い傾向があった.この結果は下垂体α-MSHが体色調節に関与することを支持する. 2.背景色と生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)量の関連 メラニン凝集ホルモン(MCH)は食欲を促進する.GnRHは性成熟の他に食欲も制御することが哺乳類で最近報告された.そこでマツカワにおけるGnRHとMCHの相互作用を検討した.白または黒水槽で飼育したマツカワの脳内MCH濃度は白水槽で,ニワトリII型GnRH (cGnRH-II)濃度は黒水槽で高かった.視床下部のMCH細胞体に密接してcGnRH-II線維が検出された.以上より,背景色は脳内cGnRH-IIにも影響すること,cGnRH-IIとMCHに相互作用があることが示唆された. 3.魚類脳内におけるオレキシンニューロンの分布 魚類におけるオレキシンの機能解明の基礎として,メダカとサクラマス脳内の分布を免疫組織化学で調べた.両種ともオレキシン細胞体は視床下部に,繊維は嗅球から延髄までの広範囲の脳部位に検出されたことから,オレキシンが魚類においても睡眠・食欲などに関連した神経修飾作用をもつことが示唆された.
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Research Products
(6 results)