2006 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた左右非対称性を形成する遺伝子の網羅的同定と機能解析
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06J00093
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
谷口 喜一郎 東京理科大学, 基礎工学研究科・生物工学専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 左右非対称性形成 / 細胞再編成 / アクチン細胞骨格 / ミオシン / カドヘリン / 形態形成 |
Research Abstract |
1、研究背景 動物の左右軸に関しては、脊椎動物で多くの知見が得られています。しかし、無脊椎動物においては左右非対称性の形成機構はほとんど明らかにされていません。そこで、ショウジョウバエを用いて左右軸形成機構を明らかにすることにしました。私の研究室のこれまでの成果により、ミオシンがアクチン細胞骨格依存的な働きが左右性を制御に関与していることが明らかになりました。しかし、その詳細な機構はほとんどわかっておりません。私が、これまでに、Myo31DFと同様に後腸の左右性に異常を示す突然変異体をR758及びchoppyを同定しています。これら突然変異の責任遺伝子を明らかにすることで、アクチン細胞骨格依存的な左右性形成機構が明らかになると考えました。 2、本年度の研究成果 まず、R758及びchoppyの責任遺伝子の遺伝子座の同定を行いました。それぞれの責任遺伝子は、shg及びemcでした。shgはカドヘリンタンパクをコードしており上皮細胞の安定化において重要の働きを持つ遺伝子です。一方、emcは哺乳類IDのショウジョウバエホモログタンパクをコードしており、bHLH型転写因子の働きを阻害する働きを持つ遺伝子です。野生型cDNAの強制発現による救済実験により、shgとemcのいずれも後腸上皮細胞において左右性形成に必要とされることがわかりました。興味深いことに野生型shgのcDNAを強制発現によりemc突然変異体における左右性異常が救済されることがわかりました。 次に、後腸の左右非対称な形成時における上皮細胞の形態変化の詳細なライブイメージング観察を行いました。その結果、後腸の左右非対称な回転時において、頭部・尾部方向への極性を持った細胞の再編成及び、左右非対称な細胞形態の変化を伴うという、新規な細胞再編成が観察されました。shg突然変異体においては、この細胞再編成が左右対称化していました。
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