2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷半導体材料による排熱・光-電気エネルギー変換素子の開発
Project/Area Number |
06J00102
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
赤坂 昌保 東京理科大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エネルギー効率化 / 環境材料 / 結晶工学 / 廃熱利用 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
本研究では、省エネルギー(排熱リサイクル、太陽光発電)、環境低負荷を視野に入れた熱電変換材料Mg_2Si、Mg_2Si_xGe_<1-x>及び高効率太陽光発電材料Si_xGe_<1-x>を対象としている。そこで本年度は、p・n形バルクMg_2Si、Mg_2Si_xGe_<1-x>製造プロセス(垂直ブリッジマン法・放電プラズマ焼結)条件の最適化及びMg_2Si結晶の基礎物性の評価を行い、また、均一組成Si_xGe_<1-x>の製造プロセス(結晶育成・後熱処理)の条件抽出を行った。結果として以下の知見が得られた。 (1)ドーパントの選定・育成条件の最適化により、p形バルクMg_2Si結晶が再現性良く作製可能となり、またn形バルクMg_2Si結晶の熱電特性を向上させるドーピング条件が明らかとなった。 (2)予め溶融合成された多結晶Mg_2Si_<1-x>Ge_xを用いることにより組成均一なバルクMg_2Si_<1-x>Ge_x焼結体が再現性良く作製可能となった。 (3)育成されたMg_2si結晶はX線トポグラフィ、ラウエ写真により結晶性が評価され、更に結晶性を向上させるための改善点が明らかとなった。 (4)グロー放電質量分析(GDMS)でMg2si結晶中の不純物量が調査され、作製プロセスにおいて混入する不純物が熱電特性に大きく影響を及ぼすことが判明した。更に熱電特性を向上させるためには、これらプロセス由来の不純物量を低減させることが重要であることが判明した。 (5)垂直ブリッジマン法を用いた整形結晶化法により、Si_xGe_<1-x>(x=0.3-0.8)の結晶が作製され、組成均一化のための熱処理条件の抽出が行われた。また、光吸収測定より試料のバンドギャップが調査された。 これら得られた知見は、次年度以降計画している上記素材の高効率化・実用化へ向けた取り組みにおいて重要な位置づけとなると見込まれる。
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Research Products
(4 results)