2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J00114
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
黒田 貴一 Tokyo University of Science, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化-還元的脱水縮合 / 立体反転 / チオエーテル化 / アジド化 |
Research Abstract |
3価有機リン化合物とアジド類(酸化剤)に組み合わせ用いることによって、第3級アルコールから直接に縮合生成物を合成できる極めて有用な反応開発を目指し研究に着手した。種々検討した結果、フェニルジフェニルホスフィナイト(PhOPPh_2)とアジド酢酸エチルを組み合わせ用いると、各種アルコールと2-スルファニル-1,3-ベンゾチアゾール(BtzSH)から対応するスルフィドが得られることを見出した。この反応は、光学活性な第2級アルコールに限らず第3級アルコールを用いた場合にも、ほぼ完全に立体反転したスルフィドを良好な収率で得られることが明らかになった。得られたスルフィドのBtz基はLiAlH_4で還元的に脱保護するとチオールに誘導できるので、「光学活性な第2級および第3級アルコールから立体反転を伴ってチオール誘導体に変換する方法」が確立された。 次に、PhOPPh_2とアジド類(酸化剤)を用いる新しい酸化-還元的縮合反応の有用性を拡大するために、求核剤としてアジド化合物を用いることに着目して検討した。種々検討した結果、求核剤としてトリメチルシリルアジド(TMSN_3)の存在下、PhOPPh_2とトリメチルシリルメチルアジド(酸化剤)を組み合わせ用いると、光学活性な第2級アルコールおよびα位にエステル基を持つ第3級アルコールから直接に立体反転したアジドが高い収率で得られることを見出した。これは、第3級アルコールから直接立体特異的にアジドを合成した初めての例であり、得られた第3級アルキルアジドは、容易にアミン(α,α-二置換アミノ酸誘導体)に導くことも可能であり、極めて有用性が高い反応である。
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Research Products
(5 results)