2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気再結合領域周辺における物理素過程の3次元的描像に関する理論的研究
Project/Area Number |
06J00163
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 桂三 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高速磁気再結合 / 3次元シミュレーション / 異常電気抵抗 / 適合細分化格子 / 電子異常加熱 |
Research Abstract |
本研究は、従来の粒子法(Particle-In-Cell(PIC)法)に適合格子細分化法(Adaptive Mesh Refinement(AMR)法)を組み合わせた新しい3次元電磁粒子コードを開発し、従来よりも非常に大きな計算領域で3次元電磁粒子シミュレーションを実施することによつて、磁気再結合現象の3次元構造を明らかにすることを目的としている。 本年度は、大規模な3次元シミュレーションを実施し、3次元的な電流層における磁気拡散過程を調べた。その結果、磁気再結合現象の発達とともに非磁気再結合面でキンクモードが励起され、それによって電子が異常加熱を受けることが明らかになった。これにともなって、電流層では異常電気抵抗が発生する。本研究のシミュレーション結果から、この異常電気抵抗が高速磁気再結合の実現に大きく寄与していることがわかった。これは、(加熱を伴わない)電子の慣性抵抗のみによって維持されている2次元磁気再結合とは大きく異なる結果である。興味深い点は、2次元と3次元とでは磁気拡散機構が大きく異なるにも関わらず、磁気再結合率そのものはほとんど変わらず、ともに高速磁気再結合が実現されるということである。このことから、電子磁気拡散領域における電子ダイナミクスはより大規模な構造によって調節されている可能性がおる。本研究は、3次元電流層における異常電気抵抗の重要性を初めて実証するものであり、磁気再結合現象に伴う大規模なエネルギー変換過程を理解する上で大きな意義があると考えられる。
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Research Products
(9 results)